革靴の7つの製法を全てをわかりやすく解説【社会人におすすめの製法は?】

こんにちは、ブロガーのあかパンダ(@akapandablog)です。

今回は革靴を選ぶ上で知っておきたい製法について解説。

製法は革靴の歩きやすさや軽さなどを左右する大事な要素なのです。

 

そんな革靴の製法ですが、今回紹介する7つの製法を押さえておけば大丈夫。

新入社員くん
革靴を選ぶ上で知っておきたい要点をまとめました。
新入社員ちゃん
安心して自分にぴったりな革靴に出会えるはずです!

 

 

代表的な革靴の製法を7つ紹介

今回は革靴に使用される代表的な製法7つを紹介していきます。

これ以外にも製法は数多く存在するものの、基本的には今回紹介する7つの製法の派生系などにあたります。

具体的には、

  1. グッドイヤーウェルト製法
  2. マッケイ製法
  3. ステッチダウン製法
  4. カリフォルニア製法
  5. バルカナイズ製法
  6. セメント製法
  7. ドーム製法

この7つの製法について解説します。

新入社員くん
グッドイヤーウェルト製法から順番に解説を行っていきます。

 

製法①:グッドイヤーウェルト製法


誕生:1879

考案者:チャールズ・グッドイヤー2世

名前の由来:発明者の名前から


中底に貼り付けられたテープのリブと呼ばれる部分に甲革、裏革と細革と呼ばれる細い帯状の革(ウェルト)を縫い付け(掬い縫い)、その細革とソールと縫合する(出し縫い)。Wikipediaより

アメリカのチャールズ・グッドイヤー2世が1879年に特許を取得した、ハンドソーン・ウェルテッドを機械化した製法。

新入社員くん
グッドイヤーの元になったハンドソーンウェルト製法については後で少しだけ解説します。

現在の紳士靴の最もスタンダードな製法で、ソール交換が可能で長く履ける製法。

接着剤などを使う製法に比べると工程が複雑で時間がかかるため、価格は高めに設定されることが多い。

 

グッドイヤーウェルト製法の長所

  • 防水性が高い
  • 中物にコルクがあり歩き心地が良い
  • 履き込むごとに歩き心地が増す
  • 耐久性が高く、ソール交換して長く履ける

グッドイヤーウェルト製法は、履き心地で経年変化を感じられる製法です。

ソールが敷き詰められているため、歩き心地が良いのはもちろん履き込むと足の形に合わせて最適な形に変化します。

新入社員ちゃん
厚い革が使われるので耐久性が高く、ソール交換をして長く履けるのも魅力です。

 

グッドイヤーウェルト製法の短所

  • 製造コストが高い
  • 堅牢だが重い物が多い

製造コストの高さがデメリット。

新入社員くん
グッドイヤーウェルト製法の靴は最低でも2万円程度の価格帯からになります。

厚手の革を使うことが多い製法なので、その分靴自体の重さが重くなってしまうデメリットも。

 

ハンドソーン・ウェルテッド製法の存在

写真はUNION ROYALより引用

  • 返りが良い
  • 耐久性が高い
  • 履き心地が良い

ここでグッドイヤーウェルト製法の元になった、ハンドソーン・ウェルテッド製法についても触れていきたいと思います。

ハンドソーンという名前の通り、手作業で仕上げられるのがこの製法の特徴。

新入社員ちゃん
手作業であるため、高額ですが耐久性と履き心地の良さは格別です。

ハンドソーン・ウェルテッド製法をある程度(それでも人の手が必要だけれど)機械化したのが、グッドイヤーウェルト製法なのです。

 

製法②:マッケイ製法

写真はUNION ROYALより引用

甲革とソールをマッケイミシンを使って直接縫い付ける製法です。

グッドイヤーウェルト製法に比べると構造が単純で、返りが良くやわらかい履き心地なのが特徴。

シンプルなため軽量化が可能で、比較的安価なビジネスシューズなどに使われます。


誕生:1858年(製法が確立された年)

考案者:ライアン・ブレイク(マッケイ製法の機会を最初に開発)

名前の由来:イタリアの“マルケ”地方の伝統技法であったところから


 

 

マッケイ製法の長所

ダブルモンクストラップ

写真はREGAL HPより流用

  • 製造コストが安い
  • 比較的軽く作れる
  • 薄く柔らかい革を使用できるため、履き心地を良くできる
  • 靴底が薄く反り返りが良い

柔らかい履き心地ですが、グッドイヤーのように靴底にコルクがあるわけではありません。

新入社員くん
靴底が薄いため、残念ながらクッション性には劣ります。

 

マッケイ製法の短所

  • クッション性が少ない
  • 靴底に縫い目があるので、水が浸入しやすい
  • 頑丈ではなく、型崩れしやすい

靴底部分に向い目があるため、浸水しやすいのが特徴です。

新入社員ちゃん
防水のために縫い目を接着剤などで塞いだモデルも存在します!購入前に確認しておきたいですね。

 

製法③:ステッチダウン製法

写真はSLOW WEARLIONより引用

甲革の縁部分を内側に巻き込まず、外側に広げ、中底・ソールに縫い付ける製法。

Wikipediaより

靴の内側には縫い目がないため、防水性が高いのが特徴。

新入社員ちゃん
雨靴などにも採用される製法です!

甲革部分が広くなってしまうため、デザインの自由度は低くカジュアルな革靴に使われることが多い製法でもあります。


誕生:1800年台後半

考案者:?非常に古くからある伝統的な製法

名前の由来:?


 

ステッチダウン製法の長所

写真は良品製靴 HPより流用

  • い防水性
  • 返りが良く履きやすい

底を薄く作ることができるので、返りが良く歩きやすい革靴を作ることが可能です。

堅牢なのでブーツなどにも採用される製法です。

 

ステッチダウン製法の短所

写真はSLOW WEARLIONより引用

  • 甲革が広がるため、デザインに制約がある
  • ソールが薄いため、歩き心地はよくない

上の写真にある白い縫い目がある部分が“甲革”と呼ばれる部分です。

ステッチダウン製法ではこの“甲革部分を薄くすることができない”というデザイン上のデメリットがあります。

 

製法④:カルフォルニア式製法

写真はREGALより引用

甲革・中底・裾テープ等を縫い合わせ袋状にしたものに裾テープを底側に巻き込んでから表底を貼りつける製法です。裾テープがプラットフォームのようになっておりこのことから「プラット式製法」とも呼ばれます。

中底に薄く柔らかい材料を使うため非常に屈曲性の良い靴に仕上がります。

アメリカのカリフォルニア州で開発されたため、この名前がつきました。

新入社員くん
日本では主にプラット式とも呼ばれるようです。

誕生:?

考案者:?

名前の由来:カリフォルニアの地名より


 

カルフォルニア式製法の長所

  • 接着剤を使い軽量な靴を作れる
  • 非常に返りがよく履きやすい

接着剤を使った製法であるため軽量な革靴に仕上がります。

新入社員ちゃん
中敷には柔らかい材料が使われることが多く、屈曲性の高い歩きやすい靴に仕上がります!

 

カルフォルニア式製法の短所

  • ソールの交換ができない
  • 堅牢性は高くない

プラットフォームのような構造上、後からのソール交換などは行えません。

新入社員くん
夫人・紳士・子供用まで様々な靴に採用される製法ですが、堅牢性もあまり高くはありません。

 

製法⑤:バルカナイズ製法

写真はREGALより引用

ダイレクト・バルカナイズ製法ともいう。チャールズ・グッドイヤー(グッドイヤー製法を発明したチャールズ・グッドイヤー2世の父親)が1839年に発明した、ゴムに硫黄を添加して熱すると硬化するという、ゴムの加硫法(バルカナイゼーション)を用いる製法。無加硫ゴムのソールにアッパーを据え付けたシューズを加硫釜に入れて加圧・加熱することで、ソールのゴムを硬化させ、ソールを成形すると同時にアッパーと接着する。

Wikipediaより

主にスニーカーに使われている製法ですが、紳士靴にも使われることがあります。

セメント製法(次に紹介)はアッパーとソールを接着しますが、この製法はアッパーとソールをダイレクトに接着するためソールがはがれる心配がありません。

より耐久性・耐水性が高く、経年劣化も少ない製法です。


誕生:1839年

考案者:チャールズ・グッドイヤー

名前の由来:ゴムの加硫法(バルカナイゼーション)より


 

バルカナイズ製法の長所

  • 防水性が極めて高い
  • 弾力性と耐久性に優れる
  • 縫い目のないデザインにできる

主にスニーカーに使われる製法なだけあって、耐久性は非常に高いです。

新入社員くん
特性上、長く履ける革靴というよりは歩きやすい革靴に採用されます。

 

バルカナイズ製法の短所

  • セメント製法に比べると製造費が高い
  • 防水性が高い分蒸れやすい
  • ソールの交換ができない

ソールを接着しているため、セメント製法と同様、ソール交換は行えません。

新入社員ちゃん
また、セメント製法に比べてですが製造費も割高です。

 

製法⑥:セメント製法

画像はBoston&Re Oldsより引用

セメンテッド式やセメント式などとも呼ばれる。甲革とソールを縫い付けず、糊で接着する最新の製法。第2次大戦後に糊が改良され、非常に強力な接着力を実現することができた結果実用化された。ミシン工程が存在しないので、靴底から水分が浸入する可能性は無く、雨靴にも採用される。

Wikipediaより

今回紹介した製法の中では最も大量生産に適している製法で、非常に安価に革靴を製造できる製法です。

1万円以下の革靴に採用されていることが多い製法です。

新入社員くん
少し勿体無いですが、革靴を履き潰していくスタイルには最も適しています。

誕生:1850年代

考案者:?

名前の由来:接合剤(セメント)より


 

セメント製法の長所

  • 製造コストが非常に安い
  • 極めて防水性が高い
  • 歩き心地が良い

製造コストが非常に安く、同じ革を使ったモデルでもグッドイヤーウェルト製法の約半額程度で購入することができます。

新入社員ちゃん
例えば、REGAL(リーガル)とKENFORD(ケンフォード)がこの関係だよ!

兄弟ブランドであるREGALとKENFORDは使っている革が同じ。

かし、値段はKENFORDの方が(グッドイヤーウェルトとセメント製法のものを比べると)半分以下です。

 

セメント製法の短所

  • 防水性が高い分蒸れやすい
  • ソールの交換ができない

接着剤を使った製法なので、極めて防水性が高いです。

その分、バルカナイズド製法同様に蒸れやすい欠点があります。

新入社員くん
ソールの交換ができないのもバルカナイズ製法と同様です。

 

製法⑦:ドーム製法

Belle&Sofaより引用

ドーム製法(Dome manufacturing method)は、2013年に日本の高山雅晴氏が製法特許第5303078号を取得し確立した靴の第七の製法。ドーム製法では中底とアッパー(革部分)の吊り込みしろを省くことで、超軽量、超柔軟な履き心地を実現することができるようなった。

Wikipediaより

日本人の高山氏が考案した革靴の製法です。

中底や補強剤と呼ばれるパーツを使用しないため、これまでにないほど軽くてしなやかな作りの革靴に仕上がります。


誕生:2013年

考案者:高山雅晴

名前の由来:


 

ドーム製法の長所

Belle&Sofaより引用

  • 使用する革材が少なくゴミが少ない
  • 軽量で柔軟に仕上げられる
  • ステッチダウン製法よりもスマートなデザインにできる

似た製法であるステッチダウン製法に比べると、甲革の広がりを抑えたデザインに仕上げることが可能です。

フォーマルなシーンに似合う革靴にも使うことができるデザイン的自由度の高さもメリットです。

新入社員ちゃん
中底を省くことができるので、厚底の革靴に屈曲性を与えるのにも適した製法です。

 

ドーム製法の短所

Belle&Sofaより引用

  • 他の製法に比べて堅牢に性には劣る

デメリットとしては、接着面積が少ないため堅牢性には劣ります。

歩き心地が良い製法ですが、あまりハードな環境での使用は難しいでしょう。

新入社員ちゃん
ドーム製法は新しい製法なので、高山氏率いるBelle&SofaのHPをぜひご覧ください!

紹介した7つの製法、社会人におすすめなのは?

今回は全部で7つの革靴の製法を紹介しましたが、その中で社会人におすすめしたい製法が3つあります。

  • グッドイヤーウェルト製法
  • マッケイ製法
  • セメント製法

この3つの製法をおすすめします。

 

予算に余裕があるならグッドイヤーウェルト製法

2万円以上の金額を革靴にかけられるなら、グッドイヤーウェルト製法で作られた革靴をおすすめします。

製法の紹介の部分でもお話しした通り、グッドイヤーウェルト製法は現代の紳士靴の定番になっています。

履きやすく足馴染みが良いグッドイヤーウェルト製法はビジネスマンにぴったり。

新入社員ちゃん
丈夫で長持ちなので、長い目で見た時のコストオアフォーマンスも◎

手入れをしながら履けば、オールソールは必要になりますが10年以上は余裕で履くことができるでしょう。

 

履き馴染みの良さ求めるならマッケイ製法

【REGAL SHOES ORIGINAL 店舗限定販売商品 】ストレートチップ

画像はREGAL HPより引用

一方、予算はそこまで出せないけれど履きやすい革靴が欲しいという方にはマッケイ製法の革靴がおすすめです。

マッケイ製法もソール交換をして履くことができますが、1回が限度です。

グッドイヤーの革靴に比べると寿命は短いですが、返りがよく足馴染みが良いので疲れ知らずの相棒になってくれるでしょう。

新入社員くん
一方、靴底は薄いので長時間歩くビジネスマンの方は足が痛くなってしまうかも。

 

安価に革靴を購入したいならセメント製法

とにかく安価な革靴が欲しいという方には、セメント製法の革靴がおすすめ。

上質な革を使ったモデルでも、他の製法に比べると驚くほど安く売られています。

ただし、どれだけ大切に履いていてもソール交換ができないので、ソールが減ったら新しい靴を購入るようになります。

新入社員ちゃん
まずはセメント製法の革靴を購入して、革靴のメンテナンスを徐々に覚えていくのがおすすめです。
新入社員くん
革靴の選び方に関してはコチラの記事にまとめてあります!ぜひ、参考にしてみてくださいね。